G.C. CAMERON / Love Songs & Other Tragedies
LP (Motown M6-819)
Producer: Stevie Wonder, G.C. Cameron, Willie Hutch, T. Woodford & C. Ivey, Winston Monseque

スビナーズの長い歴史の中で、G.C.キャメロンはどう評価されているのだろう。
それまでドゥー・ワップ感覚を抜け出せなかったこのグループに、まさしく“ソウル”をもたらした男「イッツ・ア・シェイム」のヒットを作り出したり、といったところが普通の見方かもしれない。
中にはフィリップ・ウィン時代を嫌い、このG.C.がリードを務めていた頃を最高とする人もいるが、それはどうだろう。
確かに「アイヴ・ガット・トゥ・ファインド・マイセルフ」のように、ノーザン・タイプの優れた曲もあるのだが、彼はむしろソロになってこそ光るというのがぼくの考えだ。
これは彼がソロになって初めて出したアルバム。
ソウル界がやや落ち着いてきた74年に出されたものだけに、じっくりと歌に取り組んだことがはっきり伝わってくるような出来映えである。
73年のヒット曲A(5)では、ややマーヴィン・ゲイを意識したところのあるG.Cだが、A(3)ではストレート一本やりで、最高。
ウィリー・ハッチの使った曲だが、ノーザンの伝統に則りながら、余裕を持って深く歌い回す。
同タイプのB(3)がそれと並ぶ傑作だが、スローのB(4)(5)や、マスル・ショールズ録音のA(4)(何とフランク・オー作)あたりもよく持味が出ていると思う。
でも、スティーヴィ・ワンダー作の2曲をそれぞれA、B面の頭に持ってきた構成は気に入らないね。
A(2)はアイズリー・タイプの曲。
▶ Some More from this Artist:
G.C.はモータウンのアーティストには珍しくミシシッピー 出身のシンガーである。
彼がソロとしてそれほど成功しなかったのは、そこに遠因があるのかもしれない。
先に触れたように、67年から71年までスピナーズに在籍しているが、その後アルバムを出すまで3年もの間隔があいているのは、モーウエストに一時籍を置いていたため。
だが、ベスト作品のいくつかがこの時代にあることは事実で、そのデビュー作”Girl I Really Love You”(Mowest 50057)などは味わい深いスロー・ナンバーだ。
その頃”7th Son” (Mowest 107)なるLPも予定されていたようだが、発売中止となった。
そこでモーウェストの作品も含め、改めて出し直されたのが先のLPというわけだろう。
彼は76年にも”G.C.Cameron” (同 855)、77年にも”Youre What’s Missing In My Life” (同880)を出しているが、こちらも押えたい。
前者はやはり「ドリーム・レデイ」「トゥルーリー・ブルー」「ストロング・ラヴ」のようなノーザン的なミディアムに良さがある。
一方、後者はブライアン・ホーランドがモータウンに戻って制作したもので、彼らが最後の輝きを見せた一瞬をとらえたLPという感じ。
多少評判になった「ユーア・ホワッツ・ミシング・イン・マイ・ライフ」を筆頭に、「レッツ・ラン・アウェイ・トウゲザー」などミディアムの好曲が揃っている。
この頃までは時々使うファルセットも決まっている。
でも100プルーフの「ナシング・スウィーター」はオリジナルよりは落ちる。
この後、彼はシリータを組んで”Rich Love, Poor Love” (同891)を作ったが、思い出したくないような内容だった。
だが、83年のカムバック作”Give Me Your Love” (Malaco7413)やその後のイギリス録音物は悪くない。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志

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