THE CULT / The Mail Must Go Through
LP (Starburst SLT-500)
Producer: Larry Thorpe, Mark Ungaro, Giac Ungaro

珍盤とか名盤とか言うより、きわものと言った方がいいかもしれない。
しかし、A(1)が非常にカッコいいファンク・ナンバーなのであえて選ぶことにした。
ローカル・バンドにありがちなダサさもそうなく、切れ味鋭いノリを見せる。
ヴォーカリストのクレジットも、ただ”W.L”としかないのではますます怪し気な雰囲気しか漂ってこないが、この歌がかなりディープで、ジョニー・テイラーあたりに通ずるところがある。
A(2)も引き続きそんな曲で、A(4)を含めこのLPのいちばん聞ける部分となる。
出されたのは76年。
A(1)がヒットしたとスリーヴにはあるが、本当だろうか。
レーベルはラスヴェガスというとんでもないところにあり、録音もその地。
A面で気分をよくしていると、B面はすべてインストで拍子抜けする。
もっとも、彼らのテーマともいうべきB(1)は、演奏の薄さに多少目をつぶれば聞けないことはない。
ミディアムのA(3)では、歌手としての経歴が並々ならぬものであることを匂わせてくれるが、曲が良ければLP の評価はもっと上っていただろう。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志

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