LP (A&M SP-3645)
Producer: Billy Preston

ビートルズとの共演によって広く知られることとなったビリー・プレストン。
71~77年のA&M時代には、4枚のミリオン・セラー・ヒットを出し、ホップ・フィールドをも視野に入れた活動をしていたが、その音楽の核は、あくまでもゴスペルにあったと言っていい。
A&Mからは、
①”I Wrote A Simple Song” (A&M 3507)
②”Music Is My Life” (同 3516)
③”Everybody Likes Some Kind Of Music” (同 3526)
④”Live European Tour” (同 3637)
⑤”Kids And Me”(同 3645)<上掲>
⑥”It’s My Pleasure” (同 4532)
⑦”Billy Preston” (同 4587)
⑧”A Whole New Thing” (同 4656)
⑨”The Best” (同 3205)
を発表しているが、本作は74年発表の、同レーベル5枚目のアルバムとなる。
ポップ・チャート1位になったA(2)、その後ジョー・コッカーにカヴァーされ有名になった感動的なバラード A(6)含み、彼の代表作としていい1枚だ。
キーボードの達人であるプレストンだけに、インスト・ナンバーも多く、本作でもA(3)、B(2)(5)がシンセを前面に出したフアンキーなインスト。
しかし、B(5)など、ゴスペル・ファンクと呼びたくなる曲調だ。
タイトルも直接的なB(3)”我我は皆、神の子だ”と高らかに歌う B(4)などもゴスペル感覚がよく出ている。
だからこそ、一聴極めてポップなA(2)の持つメッセージ性も説得力がある。
キーボード、曲調、曲の内容等、あくまでゴスペルが下地にあるわけだが、その点A(4)(5)、B(1)などが、レイ・チャールズに通じるスタイルであるあたり、面白い。
上記の9枚中、本作と共に代表作となるのは、やはり①か。
駄曲のない充実作だ(アレンジにクインシー・ジョーンズが絡んでいる他、ボビー・ウーマックに謝辞が述べられてるのが興味深い)。
ヒット集の⑨には、プレストン自身による「ゲット・バック」も収録されているが、これをベースに日本編集した「ビリー・プレストン」(A&M D25Y-3267)で、暖かくファンキーなその音楽性は充分わかるだろう。
ゴスペルの世界から飛び出し、10代の頃から活躍していた彼は、65/66年にキャピトル、VJからインスト・アルバムも出しているが、本格的なソロ活動は、69年にアップルと契約してから。
“That’s The Way God Planned It” (Apple 3359)、 “Encouraging Words”(同 3370)の2枚のLPでも、エリック・クラプトンらのロック・ミュージシャンをバックにしながら、心意気はゴスペルそのものだった。
A&Mの後はモータウンに移籍。
サントラ盤を含め5枚のアルパムを残し、シリータとのデュエットでヒットも出した。
“The Way I Am”(Motown 941)や”Pressin’On”(同 6020)など、タイトに洗練され悪くない。
80年代はセッション・マンの仕事をしつつ、ゴスペルの世界にも戻り、ソロで”Behold”(Myrrh 1070)、 “Universal Love”(同1080)、 プレストンはあまり歌ってないが、4人組によるThe COGICS”(Nashboro 8730)といった、落ち着いたモダン・ゴスペル・アルバムを出している。
転載:U.S. Black Disk Guide©小出斉

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