【四国縦断 Uber Eatsで巡る旅】Day4 前編|鳴らない朝、”紙のまち”を流れる

四国縦断 Uber Eatsの旅

Day4の朝は、丸亀の快活CLUBで目を覚ました。

昨日のこと――Day3の香川は、正直しんどかった。一日走り回って稼ぎは¥9,130。「うどん県で焦る」なんてタイトルつけたけど、あの惨敗感がまだ胃のあたりに残ってる。今日こそは、という気持ちで、いつもより早う布団を出た。

朝ごはんは快活の横のマクドで済ませた。ほんでオンラインにして、西進する作戦。今日の目的地は松山・道後――やなくて、あとで判明するんやけど大街道(おおかいどう)のドーミーインや。まあそれは後編の話。とにかく西や。西へ行けば、四国も後半戦に入る。

7:07、いきなり鳴った。けど――

オンラインにした途端、鳴った。おっ、幸先ええやん、と思ったら。

マクドナルド319善通寺店。……善通寺やん。

昨日さんざん走った善通寺に、また戻る方向や。西に行きたいのに、ピック地点は東。うーん、と一瞬迷ったけど、ドロップ先を見たら多度津方面――つまり結局は西へ運ばれる格好やった。それに、昨日の惨敗感がまだ効いてる。「鳴ったもんは受けとこ」と、一応受けた。

  • ¥623/10.8km/29分

こーちゃん(このブログの相棒AI)に言わせると、「Day3の1件目は10:20やったのに、Day4は7:07。ちゃんと早出できてる、反省が効いてる」らしい。まあ、そう言われると悪い気はせえへん。

そして、無音。

1件目を配り終えて、さあ次――と思ったら、鳴らへん。

三豊、観音寺。西へ流していくエリアが、まるっと無音で通過や。うんともすんとも言わへん。Day3の「都会・高松なのに鳴らない」の再来かと、一瞬イヤな汗が出たけど――今日はちょっと違った。焦るのをやめて、「気分転換や」と切り替えた。

で、道の駅で休憩することにした。もう一回うどん食っとくか、と。うどん県のラスト、締めのうどんや。

道の駅とよはま――讃州、西の端

立ち寄ったのは道の駅とよはま(観音寺市豊浜)。ここ、地味に情報密度が高いスポットやった。

まず、トンネルみたいな通路の壁画に「讃州 西の端」の文字。七福神と宝船が描いてある。讃州=讃岐=香川の、西の端。つまりここを越えたら、いよいよ愛媛や。

うどんは、道の駅併設の鳥越製麺所で。セルフのかけうどんに、おにぎり(ゆかり系)といなり寿司をつけて。THE・讃岐セルフのラインナップや。派手さはないけど、こういうのがちょうどええ。

道の駅の海側に出たら、瀬戸内海がどーんと広がってた。テトラポットの向こうに、ぽつんと島。曇り空の、静かな海や。

ほんで、ここでこの旅2回目の顔出しをしてもうた。「黄金持ちの聖地」っていう、寛永通宝をかたどったデカいモニュメントの前で、パシャリ。観音寺は銭形砂絵で有名やからな、金運の聖地ってわけや。

……よう考えたら、稼ぎに一喜一憂しとる配達員が、金運の聖地で記念撮影しとるわけや。ご利益、あるとええな。切実に。

愛媛へ。それでも、鳴らない。

うどんで気分をリセットして、いざ愛媛へ。県境を越えて、四国中央市の川之江に入った。

……けど、鳴らへん。気分転換したのに、走り出してもやっぱり無音。まあ、こうなったら開き直りや。「鳴らんもんは鳴らん」と腹をくくった。

で、走ってたら見つけてもうたんが、川之江城(城山公園)。鳴りそうにもないし、せっかくやからプチ観光していくことにした。

白壁に赤い欄干の、なかなか立派な天守や。ここでも顔出し、この旅3回目。昨日の善通寺・五重塔に続いて、Day4は完全に顔出し祭りになってきた。

※ちなみにこーちゃんに念押しされたんやけど、この川之江城は1984年に再建された模擬天守やそうや。Day3で「丸亀城は現存天守やで!」って推したばっかりやから、そこは書き分けとかなアカン。とはいえ、燧灘(ひうちなだ)を見下ろすこの立地は最高やった。

高台から港を見下ろすと、製紙工場の煙突がにょきにょき立ってる。そう、四国中央市は日本一の”紙のまち”。城内の歌碑の背景にも、しっかり煙突が写り込んでた。土地の顔が、風景にそのまま出とる。

“紙のまち”を、パイプラインが貫いていた

川之江城を出て、さらに西へ。伊予三島のあたりを通過するんやけど、ここの景色がすごかった。

道路と並走して、コンビナートみたいなパイプラインがずーっと続いてる。あとで調べたら、これが大王製紙・エリエールの三島工場や。日本一の紙のまちを象徴する、あの威容。「ホンマにコンビナートみたいやん、すげぇなここ」と、思わず声が出た。

写真に撮りたかった。撮りたかったんやけど――紙を積んだトレーラーがひっきりなしに走ってて、撮れんかった。紙のまちを撮ろうとしたら、紙トラックだらけで断念。……いや、それ自体がいちばんの”紙のまち”やんけ、と自分で突っ込んだ。

えびちくわの里――まさかの、Uber加盟店

通過中に「えびちくわの里」っていう看板が目に入った。おっ、おみやげにええんちゃう?と、フラッと立ち寄ってみた。

正式名は青木蒲鉾店。えびちくわは、燧灘で獲れる小えびを殻ごとミンチにして、白身魚のすり身と自家製豆腐を練り込んだ、東予名物や。明治時代からの特産品で、今は作ってる店が2軒しか残ってへんらしい。ピンク色でふわふわ、縁起物として贈答にも喜ばれる――おみやげにドンピシャやん。

今日は水曜。実はこの店、水曜定休のはずやったんやけど、なぜか開いてた。骨付鳥やら鯛めしやら、この旅は「水曜の罠」で何度も店に振られてきたから、開いてただけでラッキーや。

……と思ったら、この店、Uber Eats加盟店やった。おいおい。稼ぎながら旅して、たどり着いたおみやげ屋まで自分の職場かい。旅の全部がUberに絡んでくる。

試食して味見してから買おう思たら、コロナ以降は試食をやめたとのこと。しゃあないから1本だけ買って、その場で食うてみた。……味は、正直微妙やった。

でもな。せっかく立ち寄った手前、「1本だけ買って退散」ってのも気まずい。もうしゃーない、と腹をくくって、結局クール便でセット購入。……人間、こういう「せっかく来たんやし」に弱いよな。

――さて。ここまで、稼ぎはまだ¥623の1件のみ。時刻はもうすぐ10時。財布は寂しいまんまや。

けど不思議と、そんなに悪い気分やなかった。うどん食うて、西の端で海見て、黄金持ちの聖地で拝んで、模擬天守に登って、紙のまちの威容に唸って、微妙なえびちくわを買うて。稼げてへんのに、やたら濃い。

そして、この静かな午前が明ける瞬間は、もうすぐそこまで来てた。次の1発が、ようやく沈黙を破る――続きは中編で。

(つづく)

コメント

タイトルとURLをコピーしました