「収支ぜんぶ公開します」て言うと、たいてい節約記事を期待される。「ここをこうすれば◯円浮いた!」みたいな、真面目なやつ。
先に言うとくわ。そういうのやない。
明石から原付(リード125)で四国へ渡って、Uber Eatsで稼ぎながら7日で縦断した。稼いだぶんで、旅費はチャラになったんか? ……答えは、いちばん最後に置いとく。
稼げる場所と、そうやない場所
この旅は、Uberのエリアを”点”で繋いで走ってる。
徳島から愛媛あたりはエリアが繋がってて、走りながら鳴る。けど、愛媛〜高知の峠や、しまなみ海道は、そもそもエリア外や。ここはただのツーリング。鳴らへんのやのうて、鳴らしようがない。
だから稼ぎの多い少ないは、俺のやる気やない。その日どこを走ったか、地図が決める。……ついでに言うと、俺は稼ぎ特化の配達員でもない。稼ぎは、旅を成立させる燃料や。それ以上でも以下でもない。
本編に出てこん、裏方の金
本編には、宿もメシも絶景も出てくる。けど、一切出てこん金がある。
真夏の飲み物代。コンビニで買うたばこ。7日間バイクを走らせ続けたガソリン。停めるだけで取られる駐輪代。どれも旅の思い出には残らんけど、確実に財布から消えていった、”走り続けるための金”や。
なかでもガソリンは、我ながら安う済んだ。原付二種の燃費のよさだけは、この旅いちばん褒めたいとこや。これ普通車やったら、燃料代だけで軽く倍以上いってる。……で、実際なんぼやったかは、スプシで見てくれ。
言うとくと、こういう金も俺は正直に全部つけた。コンビニ会計に紛れたたばこ代は飯と分けたし(飯代に混ぜたら、食費を盛ることになる)、小さな駐輪代も一件ずつ数えた。見栄は張らへんし、記録もごまかさへん。
家計簿アプリは、あてにならんかった
最初はマネーフォワードで済ますつもりやった。……あかんかった。
漏らす(プリペイドで払た徳島の寿司¥1,430、まるっと抜けとる)。重複する。他人のを混ぜる(妻が地元で使た家族カードが、俺の旅費として並んどった)。現金は最初から映らん。
アプリを信じてたら、この表はぜんぜん違う数字になっとった。だから現物に当たった。レシート、コークオンPay、PayPay、写真の撮影時刻。全77件、一件ずつ照らし合わせた。
逆に、載せられへん金もある
正直に数えた、と言うたそばからやけど、収支に載ってへん金も2種類ある。
ひとつは、しまなみの通行料。払いそびれて財布から出てへんから、数えようがない。
もうひとつは、松山の”あの夜”の出費。本編でも🔞の袋とじにして中身を規制した、アレや(気になる人は4日目の記事を開けてみてくれ。……空っぽやけどな)。金額ごと伏せて、収支の外に置いた。規制するなら、金額まで規制する。
数えられへん金と、数えたらアカン金。まあ、そういうのもある。
で、稼ぎながら旅して、収支は
さて、答え合わせや。
7日間、稼ぎながら、あとは気の向くまま四国を巡って――手元から出ていったんは、2万2,882円。
……うん、赤字や。「稼ぎながら」て散々言うといて、フタを開けたらしっかりマイナス。四国まで遠征して、毎日バイク走らせてUberして、この結果や。赤字かい。
……で、冒頭で「真面目な収支報告やない」て言うた意味やけど。これだけ赤字出しといて、俺は一個も反省してへんねん。むしろ「もう一回やっても、たぶん同じことする」まである。なんでか。
まず、この赤字、放っといたらもっとデカかった。それをかなり埋めてくれたのが、配達や。四国を”観光”したんやない。Uberを片手に、四国に”潜り込んだ”んや。行ったこともない街でアプリをオンにして、知らん裏道に分け入って、看板とインターホンとにらめっこして、一件ずつ運ぶ。観光客でも住人でもない、中途半端な立場で街の内側に入っていく。絶景も温泉もよかった。けど、**この旅でいちばん血が沸いたのは、知らん街を配達で駆けずり回ってる時間やった。**稼ぎながら冒険して、旅費の大半を自分で取り返した。
そのうえで持ち出した2万2,882円。これは松山の温泉であり、しまなみの絶景であり、70代オーナーの民泊や。走りながら”買うた”未知の体験や。稼ぐのも未知、使うのも未知。どっちも、その日まで知らんかったもんや。失敗の金額やのうて、未知の体験を買うた請求書。しかも、思てたより安かった。だから、反省するとこが一個もない。
勘違いにもほどがある
……で、ここまで「現物に当たる」て偉そうに書いてきたけど。
ほな本編はどうやったんか、っちゅう話や。
白状する。本編、けっこう間違うとった。
前提から言うとくと、本編の記事は旅から帰ってきてから、記憶を頼りに書いとる。写真もメモもあるけど、細かいとこは「たしかこうやった」で埋めてる部分がある。
で、今回この収支表を作るのに、7日分のレシートを一枚ずつ引っ張り出して突き合わせた。そしたら——記憶で書いた部分が、まあまあの確率でズレとった。しかも自分では一個も気づいてへんかった。
せっかくやから、恥ずかしいやつを晒しとく。本編読んでへん人でも分かるように書くから安心してくれ。
① 六角レンチ、今治で買うてへん
なにがあったか: 6日目、高知から愛媛へ抜ける寒風山トンネルを出てしばらく走ってたら、ハンドルまわりのマウントバー——スマホホルダーを固定しとるやつ——のネジが緩んで落ちかけた。工具は積んでへん。指で手回しして、走ったらまた緩んで、また停めて締めて、の繰り返しや。
本編でこう書いた: 「今治に着いてから100均で六角レンチを買うて、ちゃんと本締めして解決した。110円で救われた」
レシートはこう言うとる: 今治のダイソーで買うてるのは——竹串120本。
六角レンチを買うたんは、翌日の倉敷のダイソーやった。
……つまり俺、しまなみ海道も、尾道のあの坂道も、夜の配達も、ぜんぶ手締めのまま走っとったことになる。「110円で救われた」て書いたその日は、まだ一個も救われてへん。
よう落ちんかったな、あのネジ。
② 朝メシの店が、2日ズレとる
なにがあったか: 4日目の朝。香川の丸亀にある快活CLUBで目を覚まして、朝メシ食うて、松山へ向けて出発した。
本編でこう書いた: 「朝ごはんは快活の横のマクドで済ませた」
レシートはこう言うとる: セブン-イレブン丸亀土器町東8丁目店。朝6時57分、ミニッツメイドの朝バナナとアクエリアス。マクドやない。
ほな「快活の横のマクド」はどこから湧いたんか。……2日後や。 6日目の朝、高知の快活CLUB高知中万々店に泊まって、その真横のマクドナルド高知中万々店で朝マック。これが本物。
4日目の朝メシに、6日目の記憶を貼り付けとった。
しかも丸亀の快活の横にあるんはマクドやのうて、すき家や。その前日の記事で、俺は自分で「快活の敷地内にあるすき家」て書いとる。前日に自分が書いたことすら、上書きされとった。
③ 「黒字や」て喜んどったけど
なにがあったか: 2日目、徳島。この日は移動が少なくて丸一日稼げる日やった。寿司食うて、駅前の民泊に泊まって、夜は遊覧船に乗って、居酒屋でガッツリやって——そのあと深夜にもう一稼ぎしたら、23時すぎに¥1,853の高単価が飛んできた。
本編でこう書いた: その深夜の一発で収支が黒字に逆転した、プラス¥756や、と。
レシートはこう言うとる: 計算が甘い。晩メシを「¥5,000ちょい」て丸めたけど実際は¥5,150やし、朝メシの喫茶店¥700は括弧に逃がして数えてへんかった。ちゃんと入れると——マイナス94円。
黒字やのうて、94円足らんかった。自販機の一本も買えん額で、負けとる。
しかもこれ、飯と宿と遊びだけを数えた話や。その日の朝に払た南海フェリー¥5,700も、給油2回も入ってへん。全部乗せたら2日目は8千円ちょいの赤字。
深夜の大逆転、いうほど逆転してへんかった。……いや、深夜の2件で¥3,064稼いで、赤字を¥3,158から¥94まで詰めたんやから、逆転しかけてはおる。ゼロを跨げんかっただけで。
④ その他こまごま
- 今治名物の焼豚玉子飯、「特上いった」て書いたけど、金額の内訳は並¥800+中盛¥100+マヨ¥50
- 香川の朝うどんに付けた小鉢、「かやくご飯」て書いたけどレシート上の品名は「釜飯」
- 初日、大阪で食うたアイスの休憩。「16:37に和泉市で」て書いたけど、ほんまは16:24、泉大津のセブンやった
で、何が言いたいかっちゅうと
俺は7日間、毎日その日のうちにメモを取って、写真も撮って、それでも1週間後に記事を書いたらこれや。
人間の記憶は、悪意が一個もなくても、こんだけ平気で嘘をつく。日付をズラす、店を入れ替える、都合よう丸める。しかも本人は最後まで気づかへん。
さっき「マネフォは漏らす、重複する、他人のを混ぜる」て散々書いた。アプリはあてにならん、と。
けど、いちばん盛大に漏らして、混ぜて、都合よう丸めとったんは——俺の脳みそやった。
だから、現物に当たる。レシートは、俺が覚えてへんことも、間違えたことも、全部そのまま持っとる。
この収支表の数字が信用できるとしたら、それは俺が几帳面やからやない。俺が信用できひんから、レシートに聞いた。それだけの話や。
(※本編は直してへん。あれはあれで、その時の俺がほんまにそう思てた記録やからな。答え合わせは、この一枚でやってくれ。)
内訳は、スプシで好きに見てくれ
本文で金額をほとんど並べへんかったのは、細かい数字を全部この一枚に逃がしたからや。
飲み物代がなんぼ積もったか、ガソリンを何回入れたか、松山の夜に何があったか(笑)――気になる人は、潜ってくれたらひとつだけ言うとく。「支出明細」の内容欄、青字んとこは本編に飛ぶ。「この店なんやねん」と思たら踏んでくれ。数字から入って、話に戻れるようにしてある。
ほな、また未知を買いに行く
稼ぎながら旅したら黒字になる、なんて甘い話はなかった。
でもこれは、失敗の金額やない。7日間で、未知の体験を買うた請求書や。この額で四国が丸ごと手に入るなら、俺はいつでも払う。
次はたぶん9月。京都から北へ、福井・北陸を同じノリで走る。……次は、どんな未知に、いくら払うんやろな。
――以上、四国縦断 Uber Eatsの旅、番外編でした。読んでくれてありがとう。ほな、また次の遠征で。
【四国縦断 Uber Eatsの旅|シリーズ一覧はこちら → https://funkysay-g.com/category/shikoku-uber/ 】

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