【四国縦断 Uber Eatsで巡る旅】Day2 中編|しおりを捨てた昼メシと、民泊オーナーとの一期一会

副業

午前中、スマートキー事件で1時間まるまる持っていかれた(詳しくはDay2 前編に書いた)。

購入店の電話一本で無事復活したLead125にまたがり、気を取り直して午後の稼働へ。ここからのDay2は、AIのしおりを一旦置いといて、自分のカンで動いてみる——そんな一日になる。そしてその選択が、思いがけずええ出会いを連れてくる。


事件のあと、北へ流して巻き返す

事件で午前を消耗した分、ここから挽回や。

エリアを北へ、北へと流していく。徳島市の中心部から、応神町・藍住町・北島町・松茂町——吉野川を渡った北側の郊外エリアへ。全受けで淡々とこなしていく。

拾ったオファーを並べるとこんな感じ。

時刻単価距離
11:00マクドナルド徳島応神町店¥76210.2km
11:25マクドナルド徳島ゆめタウン店¥9728.6km
11:51マクドナルド徳島北島店¥87610.4km
12:19松のや 徳島松茂広島ランプ店¥8069.0km
12:49ほっともっと 北島店¥3203.2km

見ての通り、マクドナルド3連続。徳島の北部、どうもマックのピックがやたら回ってくる。マック密集地帯なんやろか。

そして相変わらず、とにかく距離が伸びる。8km、10kmが当たり前。都会なら考えられん距離を、田舎では平気で走らされる。かと思えば、ほっともっとの**¥320**みたいな安いのも当然のように混ざってくる。全受けやから、山(¥972)も谷(¥320)も、まるっと飲み込んでいく。これが徳島稼働のリアルや。

ちなみにこの間、マック応神町の配達で店の位置ピンがズレてて、Googleマップのナビがとんでもない道を案内してくれた。あまりのめちゃくちゃっぷりに動画を撮りたかったんやけど、運転中でそれどころやなく、撮れんかったのが残念。午前はスマートキー、午後はGoogleマップ。この日、つくづく機械に振り回される。


昼下がりの「無音」と、旅人の勘ぐり

ほっともっとの配達を終えた12:49ごろから、ふとオファーが鳴らんくなった

それまで20〜30分おきにコンスタントに鳴ってたのが、パタッと止まる。ランチタイムやぞ? しばらく走り回っても、受ける気になる単発が来ない。(正確に言うと、途中で駅前ピックのスタック案件が一件来たけど、あの荒れた駅前をまた走るのが鬱陶しくて、これは見送った。)

待ちながら、ふとよぎる。

——訪問者への配車を、ウーバーのAIが「思考中」みたいに渋ってるんちゃうか?

土地勘のないよそ者ライダーより、地元の配達員を優先してるんちゃうか、と。根拠はない。ただの勘ぐりや。でも、知らん土地で急に鳴らなくなると、そんな被害妄想じみたことを考えてしまう。アルゴリズムに値踏みされてるような、あの感覚。

……なんてことを考えてると、13:38、やっと鳴った。ゼッテリア徳島クレメントプラザ店の¥339。実際のところ、単に昼過ぎのアイドルタイムで暇やっただけかもしれん。真相は分からん。分からんけど、旅人はいちいちこういうことを勘ぐってしまう生き物なのである。


14時、腹ペコ。しおりを捨てて、直感の寿司屋へ

気づけば14時。朝メシが珈琲庵のトーストやったから、さすがに腹が減ってきた。昼メシにしよう。

しおりには、こーちゃんが選んでくれた昼メシ候補が載ってる。……のやけど。

しおりの店に行くには、また目的地までナビせなアカン。

午前中さんざん、スマートキーとGoogleマップに振り回された後や。正直、もうナビしたくない。目の前の、勘で選んだ店に入りたい。

そこで、配達で走ってる最中に見かけて「なんか良さげやな」と思ってた寿司屋に、直感で飛び込むことにした。四国ローカルっぽい佇まいの店や。しおり(=AI計画)を捨てて、現地の勘を取る。午前が「機械に翻弄された時間」やったからこそ、この人間回帰がやけに気持ちよかった。

入ったのは「瀬戸の祭寿し」。回転寿司や。

……で、後から調べて分かったんやけど、この店、まさに”四国ローカル”の当たりやった。徳島や香川を中心に展開してる地元の回転寿司チェーンで、瀬戸内の魚介を売りにしてる。「四国ローカルっぽい」という直感、ドンピシャやったわけや。全国チェーンやない、地のもんを出す店。この旅の「チェーンより地元を食う」いう食のこだわりに、ばっちりハマった。

頼んだのは瀬戸セットに、追加で瀬戸内産のニシ貝まかない軍艦。タッチパネルでポチポチ注文するスタイルや。

味は——普通に美味かった。ランチタイムを外した時間帯やったんで店内はガラガラ、落ち着いて食えた。正直に評すると、**「まさに、レベルの高いファストフード」**やな。回転寿司の本質を突いた食後感。地元の貝まで拾えて、しおりを捨てた甲斐があった。

会計は**¥1,430**。午前の激闘のあとに沁みる一杯やった。


腹ごしらえのあと、宿のことを考え始める

飯食って、タバコを一服しながら、ふと今夜の宿のことを考える。

……で、朝、珈琲庵のレジ横で見たあの張り紙が、じわじわ蘇ってくる。

——やっぱり、あの民泊、気になるなぁ。

「STAY LOTTA」。徳島駅前、徒歩3分、風呂も洗濯機も付いてる民泊。朝はチラッと見ただけやったのに、種はしっかり心に蒔かれてたらしい。

とはいえ、今夜の宿はすでに快活CLUB蔵本店で予約済み。それに「今日の今日で民泊なんか、多分アカンやろ」という常識もある。

でもまあ——とりあえず、予約してる快活蔵本店がどんな感じか、下見に行っとくか、と走り出した。

この「即決せずにまず現物を見る」慎重さは、Day1後編の宿選び失敗(極寒&駐輪場なしの快活)の教訓が効いてる。宿は、見てから決める。痛い目見て学んだことや。


快活蔵本店を下見。そして、電話一本の一期一会

蔵本店に着いてみると、ロードサイド型の店舗で、駐車の心配もなさそう。まあ、ここでも問題なさそうやなと一安心。

……のやけど。民泊の未練が、どうしても消えへん。

「今日の今日は無理やろ」と頭では思う。でも——連絡してみんことには分からん。ダメ元で、張り紙にあった民泊に電話をかけてみた。

すると、オーナーが出た。

「今日、空いてますか?」と尋ねると、

「空いてるよ! ただ、あの張り紙は古いやつでね、今は5,000円やけど、どうする?」

張り紙は¥3,800やったのが、実際は¥5,000。まあ、そらそうか。でも、一期一会や。この縁を逃す手はない。

「泊まらせてください」 と即決した。

金額でどうこうやない。この、たまたま朝見た張り紙から繋がった縁が、なんかもう、乗るしかない気がしたんや。

すると、

「じゃあ、鍵渡すのと説明があるから、うちの家まで来て」 とのこと。


70代のオーナーと、歩きながら聞いた話

オーナーは、70代の男性。家から民泊の現地まで、歩いて10分ほど。その道すがら、ぽつり、ぽつりと、いろんな話を聞かせてもらった。

歩き始めてすぐ、自分のことを話した。ウーバーで稼ぎながら、四国をぐるっと巡ってるんです、と。

すると、オーナーはちょっと笑って、**「へえ、楽しんでるなあ」**と。

そして、こう続けた。

「わしも、ヨットで各地を回っとるんや」

……なんや、この人も”旅する人間”やったんか。手段は違うけど、乗り物で各地を巡って人生を楽しんでる、っていう一点で、急に話が噛み合う。ちなみにヨット乗りやけど、ヨットで寝泊まりはせえへんらしい。そのへんの妙なこだわりも、なんか人間味があってええ。

歩きながら、話はぽつぽつ続く。

実は今日、東京から帰ってきたばかりなんやと。孫に会いに行ってたそうで、「そこへ急に電話がかかってきたから、びっくりしたわ」と笑う。……そら、そうやわな。宣伝もしてない民泊に、いきなり「今日泊まれますか」て電話が来たら、誰でも驚く。

そもそも、あの張り紙——知り合いの店、たった3軒にしか貼ってないらしい。つまり、朝に俺が珈琲庵でたまたま見たあの一枚は、その貴重な3枚のうちの1枚やったわけや。改めて、縁の細さにゾクッとする。

歩きながら、話はだんだん昔のことへ流れていく。若い頃は、えらい借金をして商売をしとった時期もあったそうな。そして今は——寂れたポッポ街で、骨董品屋をやっている。しかも無人販売やという。骨董品を、無人で。なかなか味のある商いや。

そして、道の終わりごろ。オーナーは、しみじみとこう言った。

「この年になるとな、友達がどんどん死んでいくんや。せやから、余生は思い切り楽しむことにしとる」

……重い一言のはずやのに、湿っぽさは全然ない。むしろ、からっと前を向いてる。ヨットで各地を巡るのも、骨董品屋を無人でやるのも、全部その「思い切り楽しむ」の一部なんやろう。70年生きてきた人の言葉は、やっぱり効く。

そんな話をしてるうちに、現地に着いた。鍵を渡してくれながら、オーナーは笑ってこう言った。

「あんたが、初めて泊まる外部の人間やわ」

聞けば、この民泊、趣味みたいな感じでやってるから宣伝もしてないし、これまで泊まったのは親戚くらい。つまり俺は、記念すべき”初めての外部客”。宣伝もしてない、身内しか泊めてこなかった宿の、最初の一人。

朝、珈琲庵でたまたま見た、たった3枚しかない張り紙の1枚。そこから電話一本で、こんな出会いに辿り着いた。しおり(AI計画)には、絶対に載ってへん縁や。こういうのがあるから、旅はやめられん。

ただ——ひとつだけ、宿命的な問題が再燃する。

またしても、駅前。

そう、この民泊も駅前立地。Day1で「駅前は駐輪場がない」で痛い目見たあの問題が、またもや顔を出す。この旅、ほんまに駐輪場に祟られてる(笑)。急いで周辺を探す。

……幸い、すぐ裏手に駐輪場があった。そこにLead125を停めることにする。ふう、助かった。宿を選ぶうえで、駐輪場は自分にとって最重要ポイント。今回は、なんとかクリアや。


中編を終えて

午前は機械に翻弄され、昼は自分のカンを信じて寿司の当たりを引き、そして夕方、思いがけない人の縁で宿が決まった。

AI計画を捨てた午後は、大当たりやった。

宿も無事確保。まだ日は高い。……のやけど、Day2はここで終わらへん。

この後、夜の徳島で、もう一つのご褒美が待っている。稼ぎながらの旅の、その”稼ぎ”が最後にドラマを見せる展開も含めて——。

Day2 後編に、つづく。

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