前編で今治まで来た。焼豚玉子飯で腹をパンパンにして、ウバオンも軽く2件こなして、いよいよ本日の大本命――しまなみ海道や。
四国と本州を、島から島へ橋で繋いで渡る、あの有名なやつ。サイクリストの聖地とも呼ばれる絶景ロードや。原付二種でもちゃんと専用の道を通って渡れる。楽しみにしてた区間やった。
……楽しみに、してたんやけどな。実際に渡ってみたら、思てたんとだいぶ違た。ええ意味でも悪い意味でも。順番に書いてく。
しまなみは「渡りっぱなし」ちゃう
まず、俺が渡る前に完全に勘違いしてたことがある。しまなみ海道って、橋の上をずーっと繋がって走って、気づいたら本州、みたいなイメージやったんよ。
全然ちゃう。
原付・自転車用の道は、橋を渡るたびに、いったん島に降ろされる。橋を渡る→島の一般道に降りる→次の橋のたもとまで下道を走る→また橋に上がる。この繰り返しや。大島、伯方島、大三島……と、島をひとつずつ経由していく。ノンストップで本州にワープするわけちゃうくて、島と橋を交互にちまちま繋いでいく感じ。
これがな、あとで書く「料金」の話にも効いてくるんやけど、それは後回し。とにかく「全部の島、いっぺん降りなあかん」っちゅうのが、しまなみの基本構造や。
明るいうちに入って正解やった
しまなみに入ったんは昼下がり、まだ全然明るい時間帯や。これが結果的に正解やった。
なんでかっちゅうと、原付・自転車の道への入口が、意外と分かりにくいねん。車みたいに「本線をそのまま進めばOK」ちゃう。橋のたもとで、原付・自転車用の細い分岐に入らなあかんのやけど、その案内が標識頼りや。ボーッとしてたら見落としそうな細さ。
走ってて思た。「これ、暗かったら標識見落としてたかもな」て。実際に迷ったわけちゃうねんけど、夜やったら確実にヒヤッとしてたと思う。昼に入っといて助かった。
最初の橋、来島海峡大橋
最初に渡るのが来島海峡大橋。これがしまなみの中でもデカい橋や。渡ってすぐ、大島のたもとに「CYCLISTS’ SANCTUARY YOSHIUMI(吉海)」っちゅうサイクリスト向けの休憩看板があって、そこにリード125を停めた。来島海峡大橋の案内板もある。記念に一枚。

ここから島づたいに北上していく。
海水浴場でご当地ドリンク補給
途中、海水浴場のあるスポットで一服した。真夏やし、走ってると汗だくやから、こまめに水分と塩分入れとかんと倒れる。
で、そこのお店で見つけたのがこれ。POMの「塩と夏みかん」――伯方の塩を使てる、暑さ対策の塩分補給ドリンクや。しまなみは伯方島(あの「伯方の塩」の島や)を通るから、ご当地感バッチリ。あともう一個、愛媛県産の冷凍むきみかん。凍ったみかんをそのままチューッと吸うやつ。暑い日にこれは沁みる。

真夏の海辺で、伯方の塩ドリンクと凍りみかん。ベタやけど、こういうご当地の補給がいちばん旅っぽいわ。
島から見る橋は、ちゃんと絶景
別の島の休憩所では、来島海峡大橋をバックに自撮りもした。晴天で、海の向こうに白い橋がドーンと架かってて、これはさすがの絶景や。

……で、ネタ用にもう一枚、変顔でも撮っといた(笑)。旅の記録は真面目な絵ばっかりやとおもんないからな。

ここで強調しときたいのは、「島に降りたら、橋はちゃんと絶景に見える」っちゅうことや。なんでわざわざそんなこと言うかっちゅうと――橋の上を走ってる間は、全然そうでもなかったからや。
橋の上:絶景を味わう余裕なんかない
しまなみといえば絶景、みたいに言われるやろ。俺も渡る前はそう思てた。橋の上から瀬戸内海を見下ろしながら、風を切ってスイーッと……みたいな。
現実はこうや。
まず、原付・自転車道はめちゃくちゃ狭い。橋によっては自転車と原付が同じレーンのとこもあるけど、大体は自転車レーンと原付レーンが分かれてる。せやから対向で来るのは基本、原付や。狭い道やから、対向の原付とすれ違うときはそれなりに気を遣う。景色をゆっくり眺める余裕なんか、正直ない。
……とはいえ、や。その「気を遣う対向の原付」、結局しまなみ全体で2〜3台しかすれ違わんかった。原付でしまなみ渡る人、めちゃくちゃ少ないんよ。ほとんど貸し切り状態や。
その代わり、自転車はめっちゃ多かった。次から次へと渡ってる。各島に上陸してるのも、見渡す限り圧倒的に自転車や。そらそうやな、しまなみは「サイクリストの聖地」やもん。俺みたいに原付でトコトコ渡ってるのは、完全に少数派。橋の上でも島の上でも、主役はチャリンコやった。この、自転車わんさか・原付ポツポツっちゅう構図が、しまなみの実態やと思う。
そんで、下を見たときの話。橋の上から眼下を覗いたら、はるか下に海面が見える。……これがな、股間がゾワッとした。高いとこ苦手なわけちゃうつもりやったんやけど、あの高さから海を見下ろすと、体が勝手に反応する。ヒュンてなるあの感覚や。景色に感動する前に、まず高さにビビる。
で、「せや、動画撮っとこ」と思て回しといたんよ。あとで見返したら――ほぼ何も写ってへん。原付・自転車道って安全のために金網みたいな格子が張ってあるんやけど、その格子が邪魔して、肝心の景色がほとんど格子の縞々になってた。絶景動画のつもりが、格子の記録映像や。
だから「島に降りたら橋は絶景」なんよ。橋の上からは、狭さと高さと格子で、絶景どころちゃうかった。しおりには「来島海峡大橋の絶景を堪能!」て書いてあったけど、現場はだいぶ様子が違たわ。
愛媛と広島で、標識の親切さが違う
しまなみを進んでいくと、途中で県境をまたぐ。多々羅大橋のあたりで、愛媛県から広島県に入る。
これ走ってて感じたことがある。原付・自転車道の標識、愛媛側はけっこうしっかり整備されてる印象やった。ところが広島に入ると、なんか案内が減るというか、ちょっと不親切に感じた。力の入り方が違うというか。
言うとくけど、これはあくまで俺が原付二種で、標識を頼りに走った体感の話や。どっちの県がええ悪いっちゅう話ちゃう。ただ、サイクリストの聖地としてあれだけ有名なしまなみでも、原付目線で走ると県によって温度差があるんやなあ、と。ガイドブックには載らん、実際に走った者だけが気づくリアルやな。
さっき「暗かったら標識見落としてたかも」て書いたけど、明るいうちでも「お、案内少ないな」て感じる区間があった。それが広島側やった。
料金、まとめて払おうとしたら……
で、後回しにしてた料金の話や。
原付でしまなみを渡るには通行料がいる。ただこれが、橋ごとに払う方式なんよ。各島の、橋のたもとに料金箱が置いてあって、そこに小銭を投入する。1本¥50とか、橋によって金額が違う。全部合わせても¥500くらいの、まあ良心的な料金や。
でな、俺は考えた。橋のたびに小銭ジャラジャラ出すの、めんどくさいなと。「せや、最後の橋でまとめて¥500玉ポンと放り込んだったらええやん」と。ズボラな解決策や。それで各島の料金箱を、内心「あとでまとめて払うからな」とスルーしながら進んでいった。
そしたら――最後の橋の料金箱が、どれか分からんまま、尾道側に着いてもうた。
あれ? どこで払うんや? と思てるうちに、しまなみ終わってた。結果、まとめて払うつもりやった¥500、払いそびれた。
……つまり、実質タダで渡ってもうたことになる。無賃乗車、っちゅうことになるんかこれは。
先に言うとくけど、わざと踏み倒したんちゃうからな。ちゃんと払う気満々やってん。むしろ「まとめて払お」て律儀に考えてたつもりや。それが裏目に出て、肝心の最後の料金箱を見つけられんかった。ズボラが仇になったパターンや。もし今治市とか関係各所の方がこれ読んでたら、ほんますんません。次通るときはちゃんと橋ごとに払います。
橋ごとに島に降ろされる構造やから、料金箱もあちこちに散らばってる。「最後にまとめて」なんてズボラを許してくれる設計ちゃうかったんやな。ここでもまた、システムに小さく振り回された気分や。
尾道側へ
そんなこんなで、絶景と、狭さと、高さと、格子と、払いそびれを味わいながら、しまなみを渡りきった。イメージしてた優雅なサイクリング的渡橋とはだいぶ違たけど、これはこれで、原付二種でしまなみ渡ったからこそのリアルや。盛らずに書いたら、こうなる。
さあ、いよいよ本州・尾道に上陸や。今日の宿、ゲストハウス「いろは荘」が待ってる。……けど、この尾道がまた、俺をさんざん振り回してくれるんやけどな。宿までの道からして、もう一筋縄ちゃうかった。それは後編で。
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【四国縦断 Uber Eatsの旅|シリーズ一覧はこちら → https://funkysay-g.com/category/shikoku-uber/ 】

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